この日に発行された世界の新聞17紙の一面を、翻訳と解説で読めます。
ワシントンD.C.(アメリカ) · 英語
- ソ連、対米債務の支払いと反対請求の取り下げに応じる構え
- ドハティ事件の陪審はなお評議中、記録を精査
- マサチューセッツ州の民主党、アイルランド系の離反に直面
1926年10月9日付のイブニング・スター紙一面は、三つの政治記事を載せた。ロンドンからはジョン・ガンサーが、レーニンのブロンズ胸像が置かれたチェシャム・ハウスで新任の駐英ソビエト代表レオニード・クラーシンに会い、ワシントンとの交渉が始まればモスクワは対米債務を認めて反対請求を取り下げるという発言を伝えた。AP通信は、元司法長官ドハティと元外国人財産管理官ミラーの共謀罪裁判で陪審が一晩ホテルに送られ、書証の提出を求めたと報じた。同じ記事は、二人が700万ドルの外国人財産請求をめぐり44万1000ドルの報酬を分け合ったとする容疑を説明した。グールド・リンカーンは、マサチューセッツ州ローレンスで元民主党公職者ら400人がアイルランド系アメリカ人共和党クラブを結成し、民主党の長年の地盤で選挙の先行きを不確かにしていると報じた。
モンゴメリー(アメリカ) · 英語
- 連邦陪審、金曜夜遅くにドーアティ=ミラー事件の評議へ
- 軍が城門を固める「恐怖の町」で数千人が死亡
- 当局者、綿花情勢への対応策を約束
1926年10月9日付のモンゴメリー・アドバタイザー紙は、一面で3本の記事を伝えた。ニューヨークでは元司法長官ドーアティと元外国人財産管理官ミラーの共謀事件が金曜夜に陪審の評議に入り、同紙は、マック判事が贈収賄そのものと贈賄を誘因とする共謀の違いを陪審に説示した様子を報じた。漢口発のAP電は、広東軍に包囲された武昌で中国当局の数字によると1万人が死亡し、その大半が餓死だったと伝え、10月10日に降伏するとのうわさも報じた。ワシントン発の記事は、綿花が1662万7000俵の記録的豊作になるとの予想を受けて、クーリッジ大統領が倉庫と信用供与は十分だとの説明を受けたことを報じた。同じ記事は、ジャーディン農務長官がアラバマ州の農業指導者エドワード・A・オニールに送った書簡も伝えた。
ロンドン(カナダ・オンタリオ州) · 英語
- ロンドン、C・S・ハイマン閣下の死を悼む
- イタリアの対トルコ戦争計画に懸念
- アフリカの炭鉱で120人が閉じ込められる
1926年10月9日付のロンドン・イブニング・アドバタイザーは、その朝72歳で自邸アイドルワイルドで死去した元カナダ公共事業相で製造業者のC・S・ハイマンを、おそらくロンドンで最も愛された市民として悼んだ。同紙は、ハイマンが5月にケベックの釣りクラブで心臓の病に倒れ、4カ月余り持ち直しと悪化を繰り返したと伝えた。同じ紙面は、ムッソリーニがギリシャと組んでアダリア周辺の勢力圏を得るためトルコとの戦争を準備しているというデイリー・エクスプレス紙の主張を、AP電で紹介した。その記事は、ギリシャがトラキアから攻めてスミルナを得るという筋書きや、英国と、場合によっては米国による和平努力にも触れた。さらに同紙は、南アフリカ・ナタールの炭鉱でガス爆発が起き、120人が坑内に閉じ込められ、11人の遺体が収容されたとケープタウン発で報じた。この読み取りはハイマン追悼記事の冒頭部分だけを含み、炭鉱記事に続く記事は扱わない。
ベルリン(ドイツ) · ドイツ語
フォス新聞は、ゼークト上級大将の辞任を承認したヒンデンブルク大統領の親書を全文で載せた。親書は、ゼークトの大戦中の功績と戦後の国防軍再建をたたえた。同紙は、後任がまだ決まっていないこと、ラインハルト大将が就任辞退を願い出たと伝えられること、ハイエ中将とハッセ中将が有力候補であることを報じた。同紙はまた、陸軍統帥部長の職が1925年に連合国の軍事監督委員会の要求で廃止されていたと説明した。民主党の国会議員ヘルマン・フィッシャーは署名入りの論説で、実業家ジルバーベルクが共和国を支持したドレスデン演説を歓迎し、社会民主党を含む大連立の再挑戦と労働組合との協力の再建を訴えた。ロンドン発の記事は、ロムジー近郊のアシュリー大佐の所領で信頼づくりのための非公式協議に臨む独英の財界人の顔ぶれを伝えた。
ウィーン(オーストリア) · ドイツ語
- 延期!
- 保安要員の引き揚げは見送り。
- ハンガリーのヴォルター。
1926年10月9日のノイエ・フライエ・プレッセは、オーストリアの官吏が土壇場でストライキの延期を決めたことを歓迎する社説を巻頭に掲げた。社説は、政府が12日の火曜日に提案を示す前に予算を見直すため三日間の猶予を求めただけだと述べ、計画された期限付きストライキを共和国に対する犯罪と呼んだ。社説は組合指導者ツェレンカを「無冠の王」と呼んで責任を問い、このような行き過ぎがイタリアで抑圧の体制の地盤を用意したと警告した。ロンドン発の電報は、英国炭鉱労働者の代表者会議が保安要員の引き揚げを延期し、約10日かかる地区投票にかけたと伝えた。特派員は、この遅れで不意打ちの利点が失われたと論じた。文芸欄はアルパードによるハンガリーの悲劇女優マリー・ヤーサイの回想を載せ、役者の偉大さは役者の死とともに消えると嘆いた。
アルジェ(アルジェリア) · フランス語
- 飛行家タラスコン、大西洋横断に挑む
- 閣議
- 急進党・急進社会党大会を前に
1926年10月9日付の『レコー・ダルジェ』1面は、パリの新聞から転載した飛行家ポール・タラスコンの会見記をトップに掲げた。タラスコンは、米国の団体から2万5000ドルを受けてニューヨーク―パリ飛行に挑むというニューヨーク電を全面的に否定した。タラスコンは、その金はオルテイグ賞の賞金にすぎず、自分は出発日を決めないままパリ―ニューヨーク飛行の準備を続けていると語った。タラスコンはさらに、全木製のパラソル単葉機や、高空の反対貿易風に乗って西風を避ける計画、エタンプからニューヨークまで33時間という見込みを説明した。同じ欄には植民地政策をめぐる論説も並んだ。隣の欄の閣議記事は、行政の地方分権に関する政令、1年兵役制の準備、商船部門の経費削減、パリ電話網の自動化を伝えた。紙面はまた、モーリス・サローがボルドーの急進党大会でエリオの後継党首を引き受けるかどうかを論じた『ル・ジュルナル』の記事を引用した。
Madagascar · フランス語
1926年10月9日付のラ・トリビューン・ド・マダガスカル第1面は、植民地への入植論、在留中国人団体の動き、首都の衛生を求める論説を載せた。KOUN医師は署名コラムで、植民地はフランスの国土の延長であり、フランス人の家族はそこで人種としての力を失わずに根付き、ときには力を取り戻すと説いた。同じ面には、ハノイで暮らす入植者の家族生活や、スポーツを好む若者の姿を描いた文章も載った。短信は、中国人会が同胞の受け入れについて下した決定の理由を商業会議所に説明し、中国共産党との関係を挙げて自らが属する国民主義政党と区別したことを伝えた。論説「DES ACTES」は、首都の市当局が眠ったままだと批判し、ごみの放置やあばら家の増加を挙げて、住民の健康を守らなければマジュンガのような納税拒否が起こりうると警告した。
サイゴン(現ベトナム) · フランス語
10月10日のコーチシナ植民地評議会選挙を前に、この日の『レコー・アナミット』の紙面は「選挙論壇」が中心だった。L・K・ヴァンのコラムは、旅先で聞いた会話を引いて、ブイ・クアン・チエウ名簿が原住民選挙人団で圧勝すると予想した。ヴァンはまた、フランス系の共和派日刊紙2紙がこの名簿の政見声明を載せ、名簿のフランスへの忠誠を擁護したことを喜んで伝えた。P・マルシェは、ライド・クアン・チン医師がミトーの集会で、ガレ弁護士への私怨から仏安接近に反対すると述べたことをあざけった。マルシェは、植民地評議会がヴァレンヌ総督への共感動議を11対8で否決した経緯も記した。香港発の短信は、広東国民政府が10月11日から2 1/2%と5%の臨時税を課すと伝えた。
Czechia · ドイツ語
- 共和国の力試し
- ヒンデンブルクからゼークトへ
- 保守派の急進主義
1926年10月9日付のプラーガー・ターグブラットは、ベルリンとロンドンの政治の動きを伝えた。「共和国の力試し」と題する論説は、英国大使ダバノン卿がベルリンの任地を離れたことから書き起こした。ベルリン発の記事は、退任する陸軍統帥部長官ゼークトに大統領ヒンデンブルクが送った丁重な書簡の結びを載せ、後任はまだ決まっていないと報じた。同じ記事は、最古参のラインハルト将軍が任命を辞退したとされることを伝え、ハッセ中将とハイエ中将の名を挙げた。ロンドン発の記事は、スカーバラの保守党大会がロシア通商代表部の追放、1921年の英露通商協定の破棄、騒擾取締法の強化、スト破りへの嫌がらせの厳罰化、ゼネストの国家反逆扱いを決議したと皮肉を込めて報じた。今回の読み取りは三つの断片を扱い、論説については冒頭の一文だけを収める。
ジュネーヴ(スイス) · フランス語
- 官吏の権力
- クーリッジ氏と第5留保
- 第四回国際道徳教育会議
1926年10月9日付のこの1面には、スイスの国内政治と国際連盟時代の外交をめぐる記事が並んだ。J. M.の署名がある論説は、12月5日に国民投票にかけられる連邦の小麦専売制がパンを議会の争いの種にし、真っ先に農民を苦しめると警告した。論説はまた、専売制が社会党にブルジョワ秩序への突破口を与え、さらなる専売制を呼び込むと論じた。アメリカ駐在通信員の記事は、クーリッジ大統領が国際司法裁判所加盟をめぐる上院の第5留保についてジュネーヴの妥協案を拒んだと伝えた。大統領は、連盟理事会が過半数で勧告的意見を求められるようになる事態を懸念していた。ローマで開かれた第四回国際道徳教育会議の記事は、教皇が会議を非難し、公教育省の代表がカトリックのキリスト教こそイタリアの道徳律だと演説したことを報じた。それでも記事は、ベロ氏の合理主義に反対したのはオランダのプロテスタントただ一人だったと伝えた。
ベオグラード(現セルビア) · sr-Cyrl
- ニキッチ博士の更迭
- ウズノヴィッチ氏は何と言うか
- V・ヨヴァノヴィッチ博士、ニキッチ博士の後任に
1926年10月9日付のポリティカ紙は、ニコラ・ウズノヴィッチの急進党・クロアチア農民党連立内閣で起きた最初の閣僚交代を報じた。同紙は、森林鉱山大臣ニキッチ博士が国民議会の会合はもちろん、ザグレブのHSSクラブの会合も待たずに政府から外されたと伝えた。同紙はこの更迭をステパン・ラディッチの個人的な威信にとっての勝利として描き、その勝利は短命に終わるという一部の筋の見方も紹介した。別の記事は、ウズノヴィッチ首相が最新の動きを尋ねる記者たちを笑ってはぐらかし、記者たちが、王宮での謁見の後にニキッチ問題は存在しないと述べていた首相の発言を指摘した様子を伝えた。同紙によれば、この問題は木曜日の夜に閣僚の大半が知らないうちに決着し、V・ヨヴァノヴィッチ博士がニキッチ博士の後任となった。
オスロ(ノルウェー) · ノルウェー語
- セーテスダールとスルダールの間の高山で重要な古代遺物を発見
- 何世紀にもわたる祖先の狩猟生活をそこで研究できる
- ほかの謎の解明にも寄与
アフテンポステン紙は、学芸員エイヴィン・クヴォーレンの署名記事として、セーテスダールとスルダールの間の高山で重要な古代遺物が見つかったと伝えた。クヴォーレンは、1921年の旅で老人タルゲイル・クヌートソン・ホヴデンからスカールとクヌート・ロウペダーレンの伝承集で知られるストールヘッデルの岩陰にある動物の絵の話を聞いたが、ホヴデン本人もほかの誰もそこへ案内できなかったと書いた。続く部分でクヴォーレンは、岩陰に火薬入れの角を掛ける穴があり、熊や動物の線刻と古い名前も残っていると述べた。クヴォーレンはさらに、グスタヴ・ストルムら「批判的」研究者ならこれを詩的に脚色された伝説として退けただろうと皮肉った。
ライデン(オランダ) · オランダ語
- 給水不良の原因を説明し、問題を控えめな規模に引き戻す
- 東方の星教団
- 映画館
1926年10月9日付のライデン日報第1面には、市政の告知と文化面の記事が並んだ。市長N・C・デ・ハイセラールの名で出た告知は、迷惑施設法にもとづく申請書を縦覧に供し、10月23日に市庁舎で異議を受け付けると伝えた。続く市内ニュースは、ライデンの給水不良の原因を説明し、問題を実際の規模に引き戻すと予告し、中央発電所の話から書き起こした。東方の星教団の記事は、ナールデンのP・ファン・スタム氏が満員のヌッツザールで星教団ライデン・グループのために「キリストの待望」と題して講演し、人は子どものころから希望を抱き続けると語ったことを報じた。映画評は、カジノ劇場が何か月も待った『三銃士』を上映して満員となり、前後六幕ずつの長さでも作品の質が保たれていたと伝えた。
チュニス(チュニジア) · フランス語
- 苦杯を底まで!
- タルデュー氏、船員のための重要な改革
- フォン・ゼークト将軍の突然の辞任をめぐるドイツの陰謀と難局
ル・プチ・マタン紙の1926年10月9日付1面は、フランス銀行による金貨と銀貨の買い取りを論じたシャルル・アレクサンドルの社説を中心に組まれた。社説はフランス各地の窓口に群衆が押し寄せた様子を伝え、この買い取りを財政上は必要だが道徳的には戦時に硬貨をため込んだ者への報奨だと論じた。社説はまた、実行できる政治家はポワンカレしかいなかったと述べ、チュニジアに隠された硬貨をアルジェリア銀行に買い取らせるよう政府に求めた。閣議の記事は、タルデュー公共事業相による商船部門の統合と人員削減、海員登録の境界見直しを詳しく伝え、1年兵役制の準備やパリ電話網の自動化にも触れた。ベルリン発の長い記事は、ホーエンツォレルン家の王子をめぐる一件を受けたフォン・ゼークト将軍の辞任について、ヒンデンブルク大統領にかかる圧力を分析した。紙面には、英国の炭鉱労働者がボールドウィンの提案を拒否したことや、1925年兵の除隊日程を伝える短い記事も並んだ。
上海(中国) · 中国語
- 今日、万国運動会が開幕
- 九江は平常どおり平穏
- 各方面の軍事情報
1926年10月9日の時報の第一面は、上海の催しの告知と江西の戦況を並べて載せた。告知は、中国、米国、英国、フランス、日本、ロシア、ポルトガル、オランダの8か国が参加する万国運動会がその日の午後に天文台路の中華運動場で開幕すると告げ、入場券の価格が三つの等級に分かれていることも伝えた。同じ広告欄では、ある保険会社が静安寺路の8階建て本社の落成式に人々を招いた。戦況記事は、九江が南軍の手に落ちたとする英国砲艦の無線と、九江は平常どおり静かだとする日本軍艦の無線を並べ、陥落説には根拠がないと判断した。別の記事は、修水以外の戦線がほぼ休戦状態にあること、革命軍が徳安を占領したこと、学生や商人や物乞いに変装した南軍の便衣隊の活動を報じた。軍事情報欄は、孫伝芳が送ったとされる兵員輸送船が九江の江中で命令を待っていたことと、負傷兵を収容しきれなくなった紅十字会の窮状を伝えた。
ブエノスアイレス(アルゼンチン) · スペイン語
- ケープの炭鉱で坑内ガス爆発が起きた
- 共産党がトロツキー、ジノヴィエフ、ピャタコフを処罰へ
- ロシアの反乱者に死刑判決
1926年10月9日付のクリティカ紙は、海外の出来事をAP通信の短い電報で伝えた。ロンドン発の電報は、ケープタウンの特派員の報告として、ダーバン・ナビゲーション社の炭鉱でガス爆発が起きて坑口がふさがり、白人4人と先住民116人が閉じ込められたと報じた。電報は、救助隊が生存の望みをほとんど持たず、すでに11人の遺体が収容されたことも伝えた。モスクワ発の電報は、共産党政治局がトロツキー、ジノヴィエフ、ピャタコフによる工場労働者への指導部批判を党の統一への脅威と断じ、20日の総会で見せしめの処罰を科す方針を決めたと報じた。紙面は、モスクワの読者が3人の行く末を口々に問い合ったとも伝えた。サラトフ発の電報は、スヴォーロフ将軍の子孫で旧帝国軍の軍人だったドミトリー・スヴォーロフが1920年の反革命運動を指導した罪で死刑を宣告され、高齢の父親は3年の刑を受けたと報じた。
Italy · イタリア語
- 仲介者ローマ
- 大評議会、P. N. F.の選挙制役職の廃止を決定
- イギリス炭鉱労働者の脅威
1926年10月9日付のトリエステの日刊紙『ピッコロ』は、一面の社説「仲介者ローマ」でブルガリア国王ボリス3世の即位8周年を取り上げた。社説は、ブルガリアが敗戦、内乱、難民問題から立ち直りつつあると描いた。社説はブーロフ外相のムッソリーニ訪問を、伊ユーゴスラビア協定から始まったイタリアのバルカン政策の完成として称えた。ローマ発の記事は、ファシスト大評議会が党役職の選挙制を廃止するトゥラーティの原則を全会一致で承認したと伝えた。記事は、ドゥーチェが書記長を任命し、書記長が県書記を任命するという改正案の中身も報じた。同じ欄にはゴンザーガ将軍の民兵隊将校への告別の辞と、ローマ進軍記念行事の予告が並んだ。ロンドン発の記事は、炭鉱労働者連盟が坑道保安要員の引き揚げをためらい、判断を各地区に戻したと伝えた。同じ記事は、就業再開に投票した者の少なさにも疑問を示した。紙面はオーストリア公務員のストライキの動きと、イタリア映画の再編委員会の短信も載せた。