この日に発行された世界の新聞17紙の一面を、翻訳と解説で読めます。
ワシントンD.C.(アメリカ) · 英語
- 武昌の「赤軍」包囲で1万人死亡と報道
- バトラー対ウォルシュ戦、大統領の動きに注目
- 女性1人と男性2人、暴徒に私刑で殺害される
1926年10月8日金曜日のイブニング・スター紙は、一面トップに北京と漢口から届いた広東軍の武昌包囲に関するAP電を載せた。記事は、未確認の中国側推計として武昌で1万人が死亡し、その大半が餓死したと報じた。避難船に殺到した群衆の中で少なくとも50人の女性が踏み殺され、25万人を超える住民のうち砲撃が迫る前に揚子江を渡れたのは約4万人にとどまったと伝えた。G・グールド・リンカーン記者はボストンから、バトラー対ウォルシュの上院選がクーリッジ大統領の人気と禁酒法を測る選挙と見られ、両党が大統領の介入の有無を見守っていると報じた。サウスカロライナ州エイキン発のAP電は、再審中のクラレンス、デモンド、バーサ・ローマンの3人を暴徒が留置場から連れ出し、松林で射殺したと伝えた。グアム議会がフィリピンによる併合案に抗議したという短信も同じ紙面に載った。
モンゴメリー(アメリカ) · 英語
- 選挙資金を守るために記録を焼いたと陪審に説明
- 綿花保有運動、州全域で広がる
- 洪水に襲われた町、目抜き通りでフェリーを使用
1926年10月8日付の1面は、ニューヨークで進むハリー・M・ドハティ元司法長官とトーマス・W・ミラー元外国人財産管理官の共謀罪裁判の最終弁論をトップで伝えた。ドハティの弁護人マックス・D・スチューアーは、ドハティが銀行記録を焼いたのは「狂気の瞬間」の行為であり、目的はハーディングの選挙資金の記録を処分することでアメリカン・メタル事件の収賄を隠すことではなかったと陪審に訴えた。地元の話題として、同紙は綿花保有運動がアラバマ州の鉄道による綿花輸送を減らしていると報じ、10月12日にモンゴメリーで開かれる地域農業会議への関心を伝えた。AP電は、イリノイ川の洪水で30時間孤立したイリノイ州ビアズタウンで、フェリーが目抜き通りを行き来した様子を伝えた。ドハティ記事の欄には、リチャード・E・バード中佐の商業航空振興の巡回飛行を報じる記事の冒頭も載った。
ロンドン(カナダ・オンタリオ州) · 英語
- 英国の危機でゲリラ戦の懸念
- 水力電気、ロンドン市民に2000万ドルを節約させる
- ホーム銀行事件で重要判決
ロンドン・イブニング・アドバタイザー紙は、オンタリオ州ロンドンで発行された夕刊紙だった。この日の紙面で同紙は、ヘンリー・サマヴィル記者のロンドン発特電を載せた。記者は、敗北の迫った英国の炭鉱労働者が執行部の反対を押し切って保安要員の引き揚げを決めたと伝え、ゲリラ的な暴力と過激派指導者の逮捕を予想した。地元面では、公益事業委員会のE・V・ブキャナン支配人が、公営の水力電気は1キロワット時1½セントで売られ、米国の民間平均7½セントと比べて約16年間で2000万ドル以上、昨年だけで180万ドルを市に節約させたと主張した。同紙はさらに、破綻したホーム銀行宛ての小切手は閉店の半時間前に渡されても抵当債務の支払いにならないとするオンタリオ州控訴裁判所の判決を報じた。紙面には天気表と、タイムズ紙の劇評家A・B・ウォークリーの訃報も並んだ。
ベルリン(ドイツ) · ドイツ語
- ゼークト問題、きょう決定
- ブリアン、ゼークト問題を閣議で報告
- 生まれつつあるヨーロッパ
1926年10月8日付のフォス新聞は、陸軍統帥部長官ハンス・フォン・ゼークト上級大将の辞職問題を一面の中心に置いた。記事は、ヒンデンブルク大統領がゼークトとゲスラー国防相を相次いで引見して仲裁を試み、マルクス首相の報告を聞くまで決定を延ばしたと伝えた。記事はさらに、ゼークトが国防相に知らせないまま元皇太子の長男を演習に参加させたので、大統領は辞職を認めるだろうという政界の見方を報じた。パリ発の電報は、フランスがゼークトを百万人規模の隠れた軍隊の組織者とみなしていたので、フランスの新聞がこの件に強い関心を寄せていると伝えた。フランクフルト発の短信は、王子の少尉という肩書を皮肉った。ユリウス・エルバウはウィーン発の署名コラムで、シェーンブルン宮殿での第1回汎ヨーロッパ会議と、そこで演説したドイツやフランスの政治家、公使を送った各国政府、イグナーツ・ザイペルの熱心な支援を描いた。
パリ(フランス) · フランス語
- ジュネーヴの精神と国際連盟
- またしても、もう一つの危険
- 権限はいかに混同されるか
1926年10月8日付のフィガロ紙一面は、ジュネーヴの印象記と国内政治の記事を並べた。G・ド・レノルドは署名コラムで、旗で飾られ、外国の自動車やカフェの楽団、英語やスペイン語やドイツ語であふれる暑いジュネーヴを描いた。レノルドは橋を渡ってフランス語の聞こえる静かな旧市街へ移り、ジュネーヴは二つあると書いた。アンリ・ヴォノヴァンは論説で、物価高と小麦・石炭の供給を検討する閣議に対し、講じた措置を積極的に公表するよう求めた。ヴォノヴァンは、物価上昇がポンド安に対する庶民の満足を減らしており、専門的な説明では慰めにならないと論じた。行政改革を扱った記事は、地方分権、行政分散、選挙で選ばれた機関への権限移譲を三つの別個の概念として区別し、改革の動機が節約にあると指摘した。
ウィーン(オーストリア) · ドイツ語
- 不幸であって、犯罪ではない
- 英国炭鉱ストの情勢悪化
- ラグーザの日々
1926年10月8日のノイエ・フライエ・プレッセは、下オーストリア農民銀行の破綻を調べる議会委員会についての社説を一面に載せた。社説は、シュテックラー次官とブレシュ州知事が人を信じすぎて過ちを犯し、知事がフランで投機したことも許されなかったと認めた。そのうえで社説は、野党が不名誉な行為を何も立証できなかったと論じ、ブレシュの尋問を遅らせた委員会多数派が、失踪した投機家アーバーバッハとの結びつきを社会民主党に宣伝させたと批判した。ロンドン発の電報は、英国の炭鉱労働者がボールドウィンの仲裁案を拒否し、保安要員の引き揚げと外国炭のボイコット要求を決議したと伝えた。文芸欄ではテオドール・ホイスが、守護聖人ブラシウスと旧共和国ラグーザの歴史、オーストリア支配の一世紀、新しい支配者の下で揺れる町の空気を描いた。
アルジェ(アルジェリア) · フランス語
1926年10月8日付の『レコー・ダルジェ』第1面は、レーモン・ポワンカレの挙国一致内閣をめぐるパリの政治ニュースを伝えた。同紙は、ある案件が財務省の各部局で検討されたのち翌週の閣議で承認される予定だと報じた。ブリアンがラインラントの事件とドイツ情勢を閣議に報告する見通しだと記事は伝えた。ポワンカレは司法大臣バルトゥーと会い、公務員連盟の書記長も給与の均衡化をめぐってリベール氏に迎えられた。論説の断片は、カルテルが2年間あらゆるポストを握ったと非難し、行政権の介入を求めた。別の記事は、陸軍大臣が軍用航空の死亡事故を防ぐ通達を出したと報じた。リヨン発の記事は、アルジェリアから戻った詐欺師レームが厳重な護衛つきで予審判事のもとへ移送され、ジュネーヴ行きを認めたと伝えた。
サイゴン(現ベトナム) · フランス語
1926年10月8日付の『レコー・アンナミット』第1面は、10日の日曜日に行われる植民地評議会選挙をめぐる論争を大きく載せた。社説「誠実な人々」は、候補者レ・クアン・チン氏が公約を破り、植民地評議員の任期を私利に使ったと非難した。同じ社説は、チン氏を前総督モーリス・コニャックの体制と結びつけ、その名残を一掃するよう有権者に呼びかけた。断片として残る告知は、チン氏が故ファン・チャウ・チンとの友情を偽って利用し、ファン・ヴァン・チュオン氏から二度否定されたと伝えた。退任する評議員たちの信条表明は、行政当局から独立を保ち、見返りなしに4年の任期を務めたと述べて再選を求めた。本版の読み取りは第1面の一部に限られ、信条表明の署名者や風刺画の文字は含まない。
Czechia · ドイツ語
- 平和の参謀本部
- 炭鉱労働者の最後のチャンス
- ゼークト事件
1926年10月8日付のプラーガー・ターゲブラットは、プラハ発の論説「平和の参謀本部」を載せた。論説の筆者は、啓蒙と呼ばれる精神運動がフランス革命を準備した経緯から書き起こした。紙面にはドイツ大学の新学長オットー・ペテルカ教授の名も載った。ロンドン発の記事は、英国の炭鉱労働者の代議員会議がボールドウィンの仲裁の申し出を拒否したと報じた。同紙によれば、各地区の投票は政府案を73万7000票対4万2000票で否決していた。会議は執行部の強い反対を押し切り、59万4000票対19万4000票で保安要員を坑内から引き揚げると決めたと同紙は伝えた。ベルリン発の記事は、陸軍統帥部長官ゼークトの辞職願をめぐる決定がまだ出ていないと報じた。
ジュネーヴ(スイス) · フランス語
1926年10月8日付のジュルナル・ド・ジュネーヴ紙は、1面にW・M署名の論説を載せた。論説は、ポーランド国会がバルテル内閣を二度続けて退陣させた後、ピウスツキ元帥が自ら首相に就いたことを支持した。論説は、実際に国を治める者は自分の名で公然と治めるべきだと論じた。J・M署名のもう一つの論説は「方針転換」という見出しで、1924年11月のジョン・ロシェの演説を取り上げた。ロシェはこの演説で、市民の3分の1に偏っていたジュネーヴの税負担を広げると約束し、この偏りを税制上の欠落であると同時に道徳上の誤りだと呼んでいた。ベルリンの通信員は、ドイツで政治的な融和が広がっていると報じた。通信員はシュトレーゼマンの発言を引き、接近政策への幅広い支持と大連合に向けた動きを伝えた。
ベオグラード(現セルビア) · sr-Cyrl
- ブルガリアの軍備縮小
- 忘れられたツェティニェ
- 世間では何が語られているか
1926年10月8日付の『ポリティカ』は、ブルガリアの軍備縮小を論じる社説を載せた。社説の筆者は、ルーマニアが国際連盟理事会に入ったことで、セルブ・クロアート・スロヴェーン王国が理事会の調査委員会の席を失うと論じた。この委員会は、連合国間の管理が終わった後もヌイイ条約に基づくブルガリアの軍縮の監視を続けるために、二年前に理事会が設けたものだった。別の記事は、筆者が「第二のセルビアの首都」と呼んだツェティニェを、すぐ目に付く見どころのない小さな町として描いた。「イビス」の署名がある短い記事は、ある建設課長が受け取った15,000ディナールの前払金から、引っ越し費用の総額が22,500ディナールになると計算した。
オスロ(ノルウェー) · ノルウェー語
- ティンフォスの労働者、工場の提示案を拒否
- 大物犯罪者ハリー・ハーゲマン、昨日アーケル警察から逃走
- ベルゲ首相の陳述
1926年10月8日のアフテンポステン紙は、ノトッデンのティンフォス工場でストライキ中の労働者が、半数を従来の条件で再び雇い入れるという会社の提示案を拒否したと伝えた。同紙は、労働者の家族が月曜日に住宅から立ち退かされる予定になったとも報じた。同紙は、密輸業者ハリー・ハーゲマンが判決言い渡しの直前にオスロの司法庁舎の窓から飛び出し、有刺鉄線の柵を越えて逃げた経緯を詳しく報じ、人相書きも載せた。その記事の後には、禁酒法を唱えるグンナル・クヌーセンを皮肉る短評が続いた。同紙は弾劾裁判でのアブラハム・ベルゲの陳述の一部も掲載し、ベルゲは銀行破綻による動揺と、1923年5月にハンデルスバンケンが流動資本の不足を伝えてきた手紙について語った。
ライデン(オランダ) · オランダ語
- 苦境のライデン
- 懲りない作り話師
- フォン・ゼークト問題
1926年10月8日付のライデン・ダーグブラッド紙は、地元と国内外の話題を並べた。社説は前日の停電を取り上げ、市営照明工場に不運の重なりの責任は問えないとしつつ、州の電力会社かハーグ市と予備電力の供給契約を結ぶよう市に求めた。同紙は、ライデン市内と周辺の町で多くの人が大きな損害を受けたと書いた。国内短信欄は、娘の死を偽って商店主の同情を引いた常習の詐欺師、フーク・ファン・ホラントの輸出用食肉処理場の閉鎖報道を所長が否定した件、ブッスムで事故に遭ったオートバイ運転者の死亡を伝えた。ドイツ欄は、全閣僚がゲスラー国防相を支持していると報じ、将校たちの働きかけの噂があってもヒンデンブルク大統領がゼークト将軍の辞表を受理するとの見通しを示した。
チュニス(チュニジア) · フランス語
- イギリスの炭鉱地区、政府提案を4対1で拒否
- ポルトガルによるアンゴラのイタリアへの割譲、否定される
- 恐るべき地震、カラチを襲う
この日の一面は、イギリスの炭鉱争議を大きく伝えた。ロンドン発の記事は、炭鉱地区が政府提案を4対1で拒否し、賃金と労働時間を審理する全国審判所の問題が決着したと報じた。同じ記事は、事態を憂慮した政府が鉄道会社に輸送量をほぼ半分に減らすよう求めたと伝えた。ジュネーブ発の記事は、ブリアンとシュトレーゼマンが12月の国際連盟理事会でザール問題を独仏の専門家に付託する意向だと報じた。記事はその論点として、2,000人のフランス軍部隊の撤退、1927年の住民投票の取りやめ、約2億5,000万マルクと見積もられた炭鉱の買い戻しを挙げた。同じ欄は1,700の職を廃止する計画にも触れた。短信は、ボンベイからの情報として、地震とサイクロンがカラチ地方を襲い、2,500万ルピーの損害が出たと伝えた。その直前の記事は、職場に戻った坑夫の家の窓が割られ、警察が投石を受けたと報じた。一面にはポルトガルがアンゴラをイタリアに割譲したという話を否定する見出しも並んだ。この読み取りは、その見出しの記事本文を含まない。
上海(中国) · 中国語
- 和議の空気、次第に濃厚に
- 九江付近で塹壕を掘る
- 革命軍、徳安占領の経過
本稿は1926年10月8日付の時報のうち、北伐の江西戦線を扱う三本の記事を読む。九江発七日の東方電は、和議の空気が再び濃くなり、時局の中心が政治方面へ移ったと伝えた。同じ電報は、孫が近く戦線を視察して将兵を励ます予定だと報じた。五日発の通信は、九江城外の紗廠の門前に塹壕があり、廬山の麓で党軍が見つかり、付近の丘に機関銃が置かれたと伝えた。徳安をめぐる記事は、高安と一部判読できない某昌で勝敗のつかない激戦が続いたと報じた。この記事は武寧や九江付近の部隊配置を並べ、湖北から山を越えた五千以上の部隊が現れた後に謝軍が重囲を突破したと伝えた。紙面には購読料の表示も並んだ。
サンティアゴ(チリ) · スペイン語
- アルゼンチン選手たちの心温まる行い
- ボリビア選手団団長、『ラ・ナシオン』に語る
- アルゼンチン選手団の高名な幹部、本社を訪問
サンティアゴの『ラ・ナシオン』紙は、南米選手権の開幕を前に、チリに到着した各国選手団を報じた。同紙は、アルゼンチンの選手たちがオイギンス記念碑に花輪を捧げ、ハーフバックのセグンド・メディシが選手を代表してあいさつすると伝えた。同紙の特派員はボリビア選手団の汽船に乗り込み、団長ルイス・カステル・キロガ氏に話を聞いた。団長は、チームがチリとボリビアのスポーツマンを結ぶ絆になりたいと語り、コパ・アメリカに初めて出場する国がチリであることを光栄に思うと述べた。団長はまた、六日以上の旅の疲れを理由に、開幕戦を避けるよう申し入れる考えを示した。同紙はさらに、元国会議員で1924年のジュネーブ労働会議で代表団長を務めたアルゼンチンのホセ・レオン・ロデイロ博士を紹介し、博士が本社を訪れたと伝えた。
Italy · イタリア語
- 大評議会の第1回会議
- ドイツのフォン・ゼークト事件
- ブルガリアと近隣諸国
トリエステの『イル・ピッコロ』は1926年10月8日付の紙面で、ファシスト大評議会が前夜午後10時にローマで10月会期の第1回会議を開いたと報じた。記事は党書記長トゥラーティ、四巨頭のバルボとビアンキ、全閣僚、民兵隊の代表など出席者を列挙し、各県の状況報告を受けた会議が翌晩に再開されると伝えた。同じ欄には、ゴンザーガ将軍が民兵隊の諸軍団に別れを告げた日々命令が載った。この命令は、ドゥーチェが民兵隊の実際の指揮を自ら執ると決めたことを隊員に伝えた。ベルリン発の記事は、ドイツの右派新聞がゼークト将軍の辞任を共和国の責任として憤慨して非難した様子を報じた。ローマ発の短信は、ブルガリアのブーロフ外相が記者団の代表を迎えたことを伝えた。紙面上部の断片は、イタリアが地中海に目を向けるのは正しいと論じた。ブーロフ外相の記事は、冒頭の一文しか読み取れなかった。