1926年10月2日(土) この日に発行された世界の新聞17紙の一面を、翻訳と解説で読めます。
ワシントンD.C.(アメリカ) · 英語
米国、世界法廷問題で動く見込みは薄い 100発が乱れ飛ぶ クラン団員と反対派500人が衝突 イタリアのヨット会談で秘密外交が復活 1926年10月2日のイブニング・スター紙1面は、ワシントンで行き詰まった世界法廷問題とともに、国内の暴力と欧州の外交の駆け引きを伝えた。デービッド・ローレンスは、クーリッジ大統領がジュネーブの列強の対応を上院の留保に対する拒否とみなし、どこを修正したいか上院議員に非公式に尋ねる方針だと報じた。上院議員が問題の蒸し返しを拒むことは分かりきっている、とも書いた。マサチューセッツ州グロトン発のAP電は、自動車で乗りつけた約100人の反クラン派が倒木で道路をふさぎ、野原で集会中のクラン団員約400人に発砲した事件を伝えた。100発以上が撃たれたが、死傷者は報告されなかった。ロンドン発のジョン・ガンサー記者の電報は、リボルノに停泊したヨット上で行われたチェンバレン・ムッソリーニ会談について英国側の公式説明を紹介した。そのうえで、会談は仏独接近に対抗する秘密外交と勢力均衡政治の復活を示すという観測筋の見方を伝えた。
モンゴメリー(アメリカ) · 英語
モンゴメリー、南部綿花会議の開催を呼びかけ フロリダ当局者が赤十字の活動を妨げているとペイン氏が主張 陸軍、兵力を削減し赤字回避へ措置 1926年10月2日付のアドバタイザー紙1面は、綿花不況に地元から対応しようとする動きを伝えた。記事によると、アラバマ州農業局連盟とモンゴメリー商業会議所は、各地で提案されていた綿花州の会議を、10月12日に閉幕する地域農業会議の直後にモンゴメリーで開く一つの会議にまとめようとしており、農業局連盟のエドワード・A・オニール会長はジャーディン、フーヴァー両長官に参加を求める電報を送った。ワシントン発のAP電は、フロリダの当局者や不動産業者が被害を過小評価してハリケーン救済募金を「事実上破壊した」とする赤十字のジョン・バートン・ペイン総裁の非難を報じ、この論争の中でリッチモンド市長が1万ドルの小切手の引き渡しを保留したことも伝えた。別のAP電は、クーリッジ大統領が国防予算の大幅な削減はないと確約する一方で、陸軍省が赤字回避のため募兵を停止し、下士官兵8000人近くを減らそうとしていると報じた。
ロンドン(カナダ・オンタリオ州) · 英語
古都ケベックの式典に華やかな光景 電話の「切り替え」準備完了 石炭措置は場当たり的だったと主張 1926年10月2日付のこのオンタリオ州ロンドンの夕刊は、新総督ウィリングドン卿夫妻がケベックに到着したことを伝えた。霧の中、緋色の軍服の行列がロウアー・タウンから議事堂へ進み、正午に就任式が行われた様子を描き、カナダを二つの民族の伝統を受け継ぐ国であると同時に偉大な帝国の一部として位置づけた。地元面では、ベル電話会社が深夜に新しいフェアモント交換局へ切り替え、15,820の番号が移行し、茶色の旧電話帳が青い新電話帳に替わることを報じた。さらに、R・B・ベネットが約束した1トン7ドルのアルバータ炭輸送が中止されたのは政治的理由ではなく鉄道運賃の問題のためだったとする地元石炭業者の見解を載せた。
ベルリン(ドイツ) · ドイツ語
ドイツ人、フランス側に拘束される 共和国の連合 ルーマニアの対独政策 1926年10月2日付のフォス新聞は、ゲルマースハイム発砲事件のその後を取り上げた。事件の夜に負傷した靴職人リヒャルト・ホルツマンが、入院中にランダウのフランス軍事法廷から証人として呼び出され、少尉を殴ったことを否定すると拘束を宣告されたと報じた。同紙は、発砲した少尉のほうはランダウのホテルで部屋拘禁にとどまり、一人で街を歩く姿も見られていると抗議した。ウィーンのパン・ヨーロッパ会議へ向かうエミール・ルートヴィヒは、ヨーロッパ25か国の連合は共和国の連合でしかありえないと論じ、ビスマルクの亡霊に警鐘を鳴らした。ブカレストからは、ルーマニアのミティリネウ大臣がドイツの国際連盟加盟を歴史的と評し、バンカ・ジェネラーレ紙幣問題の解決を見通したと伝えた。
パリ(フランス) · フランス語
英国の世論と連合国間債務 ゲルマースハイム事件 もっと早く手を打っていれば…… 1926年10月2日付のフィガロ紙1面は、対外政策をめぐる論争と国内財政の話題を並べた。「Intérim.」署名の論説は、連合国間債務の見直しは米国の主導によるほかなく、米国が金融政策と保護関税を続ける限り欧州は債務も賠償も払えないとする『タイムズ』紙の記事を取り上げた。「対外問題」欄は、ドイツがジュネーヴに迎え入れられた直後に『ローカル・アンツァイガー』などの国家主義紙がゲルマースハイム、トリーア、コブレンツの事件を利用して接近を妨げていると非難し、連合国委員会の調査が真相を明らかにすると予告した。アンリ・ヴォノヴァンの政治コラムは、公教育行政の再編を8月3日法による節約の総仕上げとして迎え、長年の遅れの責任を左派連合に帰し、議会慣行さらには憲法規則の改革を求めた。
ウィーン(オーストリア) · ドイツ語
パンヨーロッパと経済 リヒャルト・N・クーデンホーフ=カレルギーに寄せて 中欧交通会議 このウィーンの紙面は、ヨーロッパの経済的統合という構想に大きく紙幅を割いた。署名コラムでジークフリート・シュトラコッシュは、パンヨーロッパは諸民族の経済協力から始めるべきだと論じたが、関税を撤廃すれば高関税で不適切な立地に守られてきた産業が倒れ、雇用が脅かされると警告した。オーストリア公使リードルが提案した段階的な引き下げでも危険は残るとした。ユーゴスラビアのバルカン関税同盟構想の報道に触れ、工業化の遅れた国々ではむしろ実現しやすいと見たうえで、鉄協定にならって政府と産業界を交渉の席につかせる道を提案した。別の記事はリヒャルト・クーデンホーフ=カレルギーを清廉で創造的な指導者と絶賛し、その権威の源を、東京駐在の外交官として親ユダヤ的な反ユダヤ主義論を著し日本人女性と結婚した父に求めた。さらに、10月2日から5日にウィーンで開かれる中欧交通会議に向けて、エレメール・ハントシュ、ゲオルク・ゴートハイン、グスタフ・グラーツらの寄稿の一覧を掲げた。
アルジェ(アルジェリア) · フランス語
このアルジェの日刊紙は、エリゼ宮で開かれた閣議をパリ発で伝えた。財務相を兼ねるポアンカレは1926年8月3日法に基づく節減政令を提出し、92の抵当権登記所と財務行政のさらに1700の職位の廃止が報じられた。エリオ公教育相の政令は、セーヴル、ゴブラン、ボーヴェなどの施設に法人格と財政上の自律を与えるものだった。ゲルマースハイムについては、ドイツ人犠牲者の葬儀をめぐるヴォルフ通信の報道、フランス第311砲兵連隊の平穏な撤収、ルジエ中尉への襲撃は計画的だったとする仏側の報道を並べた。新聞論調欄は、リヴォルノでのチェンバレン=ムッソリーニ会談はトワリーのブリアン=シュトレーゼマン会談への対抗ではないとする『ル・タン』を引き、英帝国主義がイタリアの野心を後押ししているとする『ユマニテ』の論評の冒頭も載せた。
Madagascar · フランス語
新会期を前に 小切手のために タナナリヴの全面的衛生化 このマダガスカルの新聞は、議会の再開を控えたフランス政界を取り上げた。L. L. の署名入りコラムは、短命に終わったエリオ内閣の崩壊と、6度の内閣危機に終止符を打ったポアンカレの挙国一致内閣を振り返った。コラムはポアンカレが広範な多数派を掌握していると認めつつ、ロンドン・ワシントン両戦債協定の批准をめぐって早々に困難が生じると予想した。紙面には小切手に関する法文も載った。振出人の資金が不足した場合の所持人の選択肢、資金額を偽った支払人への500〜10,000フランの罰金、振出人が支払いを差し止められる理由の限定などを定めたものだった。タナナリヴの衛生に関する長文記事は、各戸の便槽や「マダガスカル式の穴」を非難し、集合的な排水設備を市当局の責任と位置づけ、全下水道放流方式の採用を求めた。
サイゴン(現ベトナム) · フランス語
選挙区の有権者諸君へ 『プログレ・アンナミット』の虚偽 総督の出発 1926年10月2日の『レコー・アンナミット』のこの紙面には、立憲派の指導者ブイ・クアン・チエウが植民地評議会選挙に向けて有権者に宛てた書簡が載った。彼は3月24日に受けた歓迎を振り返り、両民族の権利を尊重する「率直で誠実な」フランス・安南協力の強化を掲げ、「暴力によらず、しかし弱腰にもならず」に教育の拡充や人民の尊厳、より公正な体制を求めると訴えた。判読できる本文が途切れる直前、書簡はファン・チャウ・チンの遺体に言及した。紙面下部では、対立紙『プログレ・アンナミット』を攻撃するファン・ヴァン・チュオン署名の書簡が、自分たちが逮捕されたのは反軍国主義のためではなく植民地政府に敵視されていたからだと主張した。さらに短い告知が、アレクサンドル・ヴァレンヌ総督が10月3日に任務のため出発し、その前に来客を迎えると伝えた。
Czechia · ドイツ語
揺るぎなく和解へ! 炭鉱労働者 より安いジャガイモと安い果物 このプラハのドイツ語日刊紙は、ケルン発の記事を筆頭に据えた。外相シュトレーゼマンはドイツ人民党の党大会で長い喝采を浴び、国際連盟加盟はそれ自体に価値があると同時に外交的発展の一段階でもあると語った。記事は、彼がジュネーヴで得た個人的な接触を称え、フランス外相との会談がジュネーヴ近郊で行われたのは偶然ではないと述べ、ロカルノとジュネーヴでかつての交戦相手国との懸案を解決する基盤が築かれたと語ったことを伝えた。ロンドン発の記事は、マクドナルドが地区協定の受け入れは炭鉱労働者の降伏を意味すると訴えた一方で、ダービーシャーとノッティンガムシャーが賛成票を投じ、20万人近くがすでに職場へ戻ったことを報じた。プラハ発の記事は、ジャガイモ生産者との価格闘争が続くなか、政府が市場の最高価格の厳格な監視を命じ、プラハへの安いジャガイモの供給を図り、暴利を抑えるため安価な果物の輸入を許可したことを伝えた。
ジュネーヴ(スイス) · フランス語
リヴォルノ会談 ダン・デュ・ミディの山崩れ すべての道はジュネーヴに通ず 1926年10月2日付の一面には、読み応えのある三本の記事が並んだ。W. M.署名の論説は、オースティン・チェンバレン卿とムッソリーニのリヴォルノ会談を歓迎し、仏伊の緊張緩和がなければロカルノとトワリーの成果も空しいと論じて、イギリスの仲介とパリの譲歩を求めた。論説はまた、フランスが衰退しているという幻想をムッソリーニが抱くことを戒めた。J. M.署名の記事は、ボワ・ノワールでサン・バルテルミー川の土石流がローヌ川を押し戻した出来事を、フレデリック・モンタンドンの研究に拠って563年以来の山崩れの系譜に位置づけた。三本目の記事は、東海岸の少数の知識人が大量の印刷物と講演、新聞を通じて1億500万人のアメリカ国民を国際連盟へ引き寄せようとしている様子を伝えた。
ベオグラード(現セルビア) · sr-Cyrl
1926年10月2日付の『ポリティカ』は、「アドリア鉄道」と題する読者の投書を掲載した。投書は同紙の社長に宛てて掲載を求める形をとり、専門家もまた国全体の利益を踏まえてこの問題を検討すべきだと訴えた。続いて番号付きの論証に入り、海へ向かう山稜と深い河谷のために、国内のどの既存港も、生産と消費のあらゆる中心地へ扇状に広がる鉄道網で結ぶことはできないと論じた。近代的な港が国家全体に役立つにはそうした枝分かれした鉄道交通が不可欠だとして、ベオグラード―サラエボ線と結んだスプリト港がその役割を果たせるかという問いには否定的な答えが出ると示した。
ライデン(オランダ) · オランダ語
10月3日祭が開幕 オランダ文学協会 ライデン砂丘水道会社 この土曜日の紙面は、ライデンの10月3日祭の週末をにぎやかに予告した。市庁舎では祝祭に向けた試験が行われ、ルナパークの遊園地では新しい電気照明が試験された。7つの合唱団はコラール音楽を総稽古した。催しは騎士の馬上試合の総稽古から子ども向け笑劇、アムステルダムの一座によるキャバレーまで並び、本番の祝祭は静かな日曜日をはさんで月曜日に行われると伝えた。紙面はまた、オランダ文学協会でChr・クルース=リヒテンベルフ博士がマリー・バシュキルツェフの名高い日記をドイツの若者の近年の日記と比べて論じた講演を報じた。ライデン砂丘水道会社の告知も載り、カトワイク、レインスブルフ、オーフストヘースト間の本管敷設で一時的に水圧が下がるとして、利用者に節水を呼びかけた。
チュニス(チュニジア) · フランス語
1926年10月2日付のこの第一面には、議会のうわさ話とパリ発の短い公式発表が並んだ。議会記事は、「マメールの男」ジョゼフ・カイヨーがブルボン宮の廊下に姿を見せただけで、まばらで手持ち無沙汰な議員たちにいくらかの活気が生まれ、彼が去ると会話は再びいつもの調子に戻った様子を描いた。パリ発の短信は、翌日の『官報』に載る政令でラ・ロシェルとモンペリエの地方税関管理局が廃止されると報じ、10月1日現在の貯蓄金庫の預け入れが払い戻しを2900万上回ったと伝えた。税関の記事の直前には、ヨーロッパの深刻な情勢に触れたレーモン・コルラ署名の記事の結びの一文があり、海港に関する国際条約をめぐる記事の冒頭も載った。
北京(中国) · 中国語
1926年10月2日の北京『世界日報』は、自社の広告欄に二つの告知を載せた。一つは、本紙出版部が国内の価値ある図書・雑誌を委託販売していると告げ、最近委託された書目の摘要を掲げた。紙面ではその冒頭が、ドイツ・フランス製「九一四」などの注射を扱う小児科・内科の広告の末尾から続いていた。もう一つは副刊の月ごとの合訂本を宣伝し、北京大学教授の劉半農博士が主編を務め、執筆陣も碩学ぞろいで、印刷・装丁は古新聞を綴じただけのものとはまったく違うと強調した。この読み取りでは個々の書名や価格は判読できない。
ブエノスアイレス(アルゼンチン) · スペイン語
英国できょう重大な航空事故 犯人たちを懸命に捜索 テックス・リカード、大興行を開催へ 1926年10月2日付のブエノスアイレス紙『クリティカ』のこの紙面は、AP通信の電報で、クロイドンへ向かっていたフランス航空連合の旅客機がトンブリッジ付近でエンジンから出火し、英ケント州に墜落したと伝えた。乗客5人と操縦士、機関士の計7人が全員焼死し、身元も分からないほどだったこと、付近の農民が駆けつけたが間に合わなかったことも報じた。地元の犯罪記事は、デ・ラ・クエスタ、ウルチュア両警視の率いる捜査班が郊外の溜まり場を家宅捜索し、多くの容疑者を接見禁止にしていると伝えたが、捜査はほとんど実を結んでいないと認めた。ニューヨーク発のAP電は、テックス・リカードが新しいマディソン・スクエア・ガーデンでヘビー級だけの興行を開くと報じた。新王者ジーン・タニーへの挑戦者を選ぶ勝ち抜き戦だとされ、対戦カードも並んだ。
Italy · イタリア語
1926年10月2日付『イル・ピッコロ』の一面は、イタリアの外交と内政を体制寄りの視点から伝えた。ローマ発の記事は、リヴォルノでのムッソリーニ=チェンバレン会談が国際情勢全般に及んだと報じた。記事は、ロカルノ条約の保証国である両国が、トワリーでの仏独会談やドーズ案の現金化の可能性を検討したと伝え、タンジール、アビシニア、近東、バルカンにも簡単に触れた。閣議の記事は、議会の委任に基づく公安法改革、県知事アルトゥーロ・ボッキーニの警察長官任命案、油糧種子の関税やキレナイカの選挙に関する植民地関連の措置を報じた。3本目の記事は、イエメンとの新条約をムッソリーニ個人の威信がもたらした成果として称えた。