この日に発行された世界の新聞14紙の一面を、翻訳と解説で読めます。
ワシントンD.C.(アメリカ) · 英語
- ドハティ事件の陪審団、評決一致せず解任
- ドイツ染料特許の売却、裁判所が支持
- 児童を守る生徒パトロール、試行に成功
1926年10月11日のイブニング・スター紙の1面は、ニューヨークの法廷からワシントンの交差点まで3本の記事を載せた。アメリカン・メタル社の株式700万ドル分の返還をめぐるハリー・M・ドハティとトーマス・W・ミラーの共謀事件では、陪審団が約65時間評議しても評決に至らず解任されたと同紙は伝えた。同紙は、少数派の陪審員が陪審室での強要と下品な言葉を判事に訴えたことも報じた。最高裁は、押収されたドイツの化学・染料特許をウィルソン政権期にケミカル・ファウンデーションへ売却した取引を有効と認め、ハーディング政権が起こした取り消し訴訟で政府が敗れたと同紙は伝えた。トムソン校では、6歳のフレディ・グロスカースがゲージ校で亡くなってから1週間後に、白いサム・ブラウン・ベルトとニッケルのバッジを着けた少年9人が首都で初めての生徒交通パトロールを試したと同紙は報じた。同紙の投票では、保護者の大半が始業時刻の繰り下げに賛成していた。
モンゴメリー(アメリカ) · 英語
- アレクサンダー、勝負どころでヤンキースを封じる
- 学校債発行の選挙、投票所は8時に開く
- フランスの退役軍人、米国への支払いに反対
モンゴメリー・アドバタイザー紙は1面のトップで、1926年ワールドシリーズ最終第7戦のAP電を伝えた。ベテランのグローバー・クリーブランド・アレクサンダーが救援に立って満塁でトニー・ラゼリを三振に取り、セントルイスが3対2でヤンキースを破った試合だった。地元の話題では、新しい高校校舎のための100万ドルの学校債をめぐる当日の市の投票を取り上げ、投票所をすべて載せた。同じ欄には、ジャクソンビルで若い妻が夫を刺殺した短信も並んだ。パリからは、フランスの退役軍人の代表がポアンカレ首相に対し、ワシントンとロンドンとの戦債協定の批准に反対すると警告したことを報じた。
ロンドン(カナダ・オンタリオ州) · 英語
- 水難と自動車事故で多数の犠牲
- アスキス引退の見通し
- 南アフリカで爆発、作業員118人死亡
この読み取りは、カナダ・オンタリオ州ロンドンの夕刊紙から3本の記事を取り上げた。紙面はオンタリオ州各地の事故をまとめ、列車や自動車にはねられた人、横転した車の乗員、馬車から川に落ちて溺れた人、銃の暴発で死んだ人を並べた。ロンドン発の記事は、デイリー・ニューズ紙の報道として、オックスフォード・アンド・アスキス卿が自由党党首の座を近く退く見通しだと伝えた。同じ記事は、卿が重い病から回復しきっておらず、金曜日の演説で去就が決まると見られていると報じた。ナタール発の記事は、ダンハウザーのダーバン・ナビゲーション炭鉱で金曜日の夜に爆発が起き、第2坑の夜勤要員118人全員が死亡したと伝えた。同じ記事は、坑内のガスが遺体の収容を妨げていると報じた。
ベルリン(ドイツ) · ドイツ語
- 首相、ヴェスタルプに反対
- 州議会で騒乱
- 人民党の連立提案
1926年10月11日付のフォス新聞第1面は、外交上の楽観と国内の激しい党派対立を並べて伝えた。首相は演説で諸国民の結びつきの強まりと紛争の平和的解決をたたえ、協調政策への反対が静かになったと述べた。首相はさらに、社会民主党に共同責任を負わせる問題をめぐる論争で実業家パウル・ジルバーベルクを擁護し、ヴェスタルプ伯が最近示したドイツ国家人民党側の要求を退けた。州議会では共産党議員がホーエンツォレルン家との新たな和解協定の審議を阻もうとし、ヘプカー=アショフ財務大臣を一斉の罵声で迎えた。別の記事は、最大与党が賛成も反対もしない方法で和解協定の可決を助けようとしていることへの批判を引用した。さらに別の記事は、ドイツ人民党がプロイセンでの大連立に原則として賛成したことに、ドイツ国家人民党陣営が強く反発した様子も報じた。
パリ(フランス) · フランス語
この日のフィガロ紙の一面には、政治と債務をめぐる記事が並んだ。フランソワ・コティは署名コラムで、フランスに対する陰謀は必ず国民の注意を眠らせることから始まり、用心深いフランス人が企てを明るみに出すと敵は黙り込むと警告した。報道記事は、ポワンカレ首相が全国旧軍人連合の幹部を迎え、連合国間の戦争債務と仏独接近に関する決議を受け取ったと伝えた。記事によると、首相は米国政府が請求書を送ってくるが、債務者であるフランスはまず債権者と話をつけたいと答えた。アンリ・ヴォノヴァンは政治コラムで、パンルヴェが自党の共和社会党に態度を説明するためリールを訪れたことを皮肉った。同じコラムは、急進派の閣僚たちがポワンカレの挙国一致内閣への参加を詫びにボルドーへ向かう予定だと書いた。この読み取りでは、各記事の冒頭部分だけを訳した。
ウィーン(オーストリア) · ドイツ語
- 公務員に対して予想される譲歩
- ウィーンとグラーツ
- リラ相場、さらに上昇
1926年10月11日のノイエ・フライエ・プレッセは、その日のウィーンの閣議に財務省が連邦職員俸給の恒久的な規定に関する試算を提出する予定だと伝えた。同紙によれば、有力な案は俸給の一律の百分率引き上げと年2回の別途支給だった。「ウィーンとグラーツ」と題した論説は、リンテレン博士がシュタイアーマルクの悲しむべき出来事から身を引くべきだったと論じ、留任を強行すればキリスト教社会党全体が野党の攻撃を受けると警告した。同じ論説は、4議席の大ドイツ党が公的生活の清廉さの保証なしには連立に加わらないと決議したことも報じた。リラ相場の上昇を伝える見出しの下で、同紙はイタリアの哲学者ジョヴァンニ・ジェンティーリを紹介し、クローチェの協力者だった彼が1922年にムッソリーニ内閣の文部大臣になった経歴を記した。
アルジェ(アルジェリア) · フランス語
- ローヌ県急進社会党連合
- 共和社会党
- 連合国間債務の決済
1926年10月11日付のレコー・ダルジェは、レモン・ポワンカレの新内閣をめぐるフランス本国の政治記事を三つ載せた。エドゥアール・エリオはリヨンでローヌ県急進党連合の大会に臨み、ポワンカレ内閣入りを私利によるものとする見方を強く退けたと同紙は伝えた。大会はエリオに信任決議を可決したと同紙は報じた。陸軍大臣ポール・パンルヴェはノール県知事らの出迎えを受けたのち共和社会党の宴会で演説し、貯蓄銀行に預金者が押し寄せた時期に破局を防ぐため内閣に加わったと語ったと同紙は伝えた。全国在郷軍人連合は会員40万人を代表してポワンカレ首相に決議を手渡し、メロン=ベランジェ協定とカイヨー=チャーチル協定の批准に反対して、元利合計の債務は支払えず、その額にも異論があると訴えたと同紙は報じた。
サイゴン(現ベトナム) · フランス語
この日の『レコー・アナミット』1面は、ヴァン・アインの署名入り風刺コラムを大きく載せた。コラムは、レオン・アルシャンボーが『ルヴュ・デュ・パシフィック』で唱え、ヴァレンヌ総督の演説を後ろ盾とした臣民と市民の中間の身分を取り上げ、安南人は戦争での犠牲や税、公債、フランへの拠出ですでに市民の義務を果たしたのに、臣民として意見や集会を理由に投獄されると皮肉った。続いてダバーノン卿のベルリン離任と、フランスの金と財政をめぐる短信が並んだ。安南通信員は、安南代議院の議長がトゥーランで週三回発行のクオック・グー紙を創刊する計画を伝え、資金と印刷所はそろったが政府の許可が出るかどうかを案じた。同じ面は、マルクス首相がエッセンでの演説で、ラインラントの反仏事件があってもトワリー交渉の目標を守ると述べたことも報じた。
ジュネーヴ(スイス) · フランス語
- 普通選挙と独裁
- 詩人ジャン・ペルディオス
- 教皇用特別列車でローマからテルニへ
この紙面は、グリエルモ・フェレーロの署名論説を冒頭に載せた。フェレーロは、かつて教会や保守派に恐れられた普通選挙が現代世界の大きな保守勢力になったと論じた。フェレーロは、メキシコの司教団が宗教対立について自由な国民投票を提案し、カリェス政権がそれを拒んだという出来事を出発点にした。フェレーロは、妥協で動くイギリス、フランス、ドイツの政府と、少数派が権力を奪ったロシアとイタリアを対比した。レオニダス・パウリデスは、ジュネーブで学び、韻文雑誌を一人で書き続けたキプロスの詩人ジャン・ペルディオスに、最初の詩集の刊行二十周年の祝辞を寄せた。ローマ通信員は、アッシジの聖フランチェスコ記念行事に向かう教皇特使メリー・デル・バル枢機卿の特別列車に同乗し、イタリア当局が1870年以来初めて教皇の列車に公式の栄誉を与えた様子を伝えた。
ベオグラード(現セルビア) · sr-Cyrl
- ラディッチ氏、自らの暴言を釈明しに来る
- ラディッチ氏は言い逃れを図るだろう
- キリストに対するように……
1926年10月11日付のポリティカ紙は、ステパン・ラディッチがザグレブ駅で起こした暴言騒ぎをめぐる政局を一面で大きく伝えた。同紙は、この騒ぎがウズノヴィッチ首相の政府を極めて苦しい立場に追い込み、急進党とラディッチ派の連立を一時危うくしたと報じた。同紙は政界筋の見方として、連立が決裂しなかったのは急進党が決裂後の見通しを持てなかったためだと書いた。見出しはラディッチが釈明のためにやって来ると伝えた。別の記事はラディッチが何らかの策略で言い逃れを図るだろうと予想し、ザグレブでチェコスロバキア議員団を迎えたジャニッチ博士とバザラ博士の態度も政界に苦い印象を与えたと伝えた。三つ目の記事は、雨の中で開かれたスロベニア人向けの集会で、ラディッチが聴衆に心のまなざしで昔から知り合っていると語りかけた演説の冒頭を載せた。
オスロ(ノルウェー) · ノルウェー語
- 破産
- 保安官殺害犯、ヴェステルイェートランドで目撃
- ノルウェー教会全国連盟
1926年10月11日付のアフテンポステンは、ノルウェーの蒸留酒禁止をめぐる国民投票を翌週に控えて、禁酒法を手形の乗り回しで延命する破産企業になぞらえる社説を巻頭に載せた。社説は失敗を認めた禁酒派を称え、残りの禁酒派が地方の人のよい有権者から新たな裏書きを集めようとしていると非難した。報道記事は、保安官殺害犯スヴェンソンとマドセンをスウェーデン警察が追う様子を伝え、アスケシュンドやレールベック付近での目撃、火の合図の後に協力者とみられる男が逮捕されたこと、ビリンゲン周辺で警察犬による捜索が続くことを報じた。最後の記事はノルウェー教会全国連盟の全国大会を予告し、会長のカール・ヴォル教授は、地区支部が国会選挙に独自の名簿を立てられるかどうかはまだ決まっていないと語った。
ライデン(オランダ) · オランダ語
- カトウェイク、喪に沈む
- ダルトン・システムの試行は認めず
- アスファルト道路
1926年10月11日付のライツ・ダッハブラット紙は、カトウェイク・アーン・ゼーの漁船K.W.152号が土曜日の嵐で乗組員もろとも沈んだことを伝えた。記事は、穏やかな秋晴れが数週間続いたあとに南西から急に嵐が起こり、漁師の妻や母たちが不安に包まれた様子を報じた。ライデン市の市長・助役会は、ある小学校長が求めたダルトン・プランによる学級の試行を、視学官や地区学校委員会、公立小学校の校長らの意見に基づいて認めなかった。同じ面には、10月3日協会が祝祭の協力者を招いた慰労の夕べの記事と、静かでほこりが立たず維持費の安いトピーカ舗装を紹介する記事も並んだ。抜粋はいずれの記事も途中で途切れており、沈没船の乗組員の名前や遺族への支援には触れていない。
上海(中国) · 中国語
- 江西・福建の軍事情報
- 呉、奉天に代表を派遣して援助を求める
- 革命軍、昨日武昌に入城
時報の1926年10月11日付紙面は、北伐の戦況を伝えた。江西からの電報は、孫伝芳の聯軍が修水への南軍の攻撃を撃退したこと、孫が艦船で南京に戻り配下の将軍が九江を守ったこと、徳安に革命軍が現れて南潯鉄道が脅かされたため聯軍が兵站本部を湖口に移したことを報じた。北京電は、軍費と武器に困った呉佩孚が初めて天津経由で奉天に代表を送り、出兵を求めたと伝えた。その前には漢口に足止めされた難民の窮状を嘆く断片が並んだ。見出しは革命軍が前日に武昌へ入城したことを告げたが、判読できる本文は広水での急ぎの鉄道工事を扱っていた。この読み取りは各記事の断片を対象とし、武昌入城そのものの記述を含まない。
サンティアゴ(チリ) · スペイン語
- 外国使節団の団長たちを称えた昨日の午餐会
- 南米会議、昨夜臨時に会合
- 昨日の練習で、ボリビアチームが好印象を残す
1926年10月11日、サンティアゴの南米サッカー選手権が開幕する前日に、ラ・ナシオン紙は大会前の動きを伝えた。同紙によると、チリ・フットボール連盟はクラブ・イピコで来訪した各国使節団の団長を招いて午餐会を開いた。同紙はまた、ウネウス外相がその席に加わって代表たちを大統領と閣僚に紹介し、使節団が政府首脳を試合観戦に招いたと報じた。南米会議の記事は、試合日程と審判の割り当て、各委員会の招集、新しい競技規則を説明するための審判と各チーム主将の招集、外務省などによるトロフィーの寄贈を伝えた。練習試合の記事は、ボリビアが7対1で勝った練習でメンデスとアルボルタの攻撃を高く評価し、ボリビアは巨人ではないもののチリの選手たちをかなり手こずらせるだろうと予想した。