この日に発行された世界の新聞12紙の一面を、翻訳と解説で読めます。
ワシントンD.C.(アメリカ) · 英語
- 禁酒の是非をめぐる争点、党派政治を後景に押しやる
- クラン調査の事実に州上院議員ら驚愕
- ヤンキース、ワールドシリーズ初戦を2-1で制す
1926年10月3日付のイブニング・スター日曜版は、全国政治、インディアナ州の疑獄、野球を同じ紙面に並べた。G・グールド・リンカーンは、秋の選挙戦で禁酒問題が通常の党派対立を押しのけたと論じ、カリフォルニアからニューヨークまで9州で禁酒の是非が住民投票にかけられ、そのうち5州では州の禁酒取締法を廃止するかどうかが問われると伝えた。インディアナポリス発のAP電は、共和党系新聞人の委員会が集めた、服役中の元クラン指導者D・C・スティーブンソンをめぐる贈収賄や官職売買の疑いの証拠に、州上院議員6人が「驚愕した」と報じた。スポーツ編集長デンマン・トンプソンは、ハーブ・ペノックの好投でヤンキースがカージナルスにワールドシリーズ初戦を2-1で制した試合を、巧みだが約6万2000人の観衆には妙に退屈な一戦だったと描いた。
モンゴメリー(アメリカ) · 英語
- 銀行家に綿花保有計画の後押しを要請
- 大型旅客機が炎に包まれ7人死亡
- ドヒニー側、起訴に直面へ
1926年10月3日付のモントゴメリー・アドバタイザーは、AP電3本を載せた。ニューオーリンズ発の記事では、ニューオーリンズ綿花取引所のフランク・B・ヘイン会長が南部の銀行家に対し、1俵65ドル未満での農家の投げ売りを食い止めるよう呼びかけた。ヘイン会長は相場下落の原因を連邦政府による早い時期の収穫予想に求め、記事はさらに、テネシー・バレーの銀行家がアラバマ州ファーム・ビューローの協力を得てフローレンスに集まり、アラバマ産綿花を市場から引き揚げる計画を話し合う予定だと報じた。ケント発の記事は、パリから飛んできたフランスのエール・ユニオン機がペンズハースト近くで炎上し、乗っていた7人全員が死亡した墜落事故を目撃証言とともに伝えた。ワシントン発の記事は、控訴裁判所が海軍石油リース事件でドヒニー、シンクレア、フォールに対する共謀罪の起訴を退けず、公判への道が開かれたと報じた。
ベルリン(ドイツ) · ドイツ語
ベルリンの自由主義紙『フォス新聞』のこの紙面は、ブリアンとシュトレーゼマンのトワリー会談の続報を載せた。パリ発の記事は、地中海周遊から戻る途中のチェンバレン英外相がケ・ドルセーでブリアンと会談し、共同コミュニケが両者の一致を「かつてなく緊密」とうたって、独仏関係をロカルノ条約とトワリーに結びつけたことを伝えた。ロンドン発の記事は、和解の最大の障害は米国にあると報じた。ウォール街はドイツ債発行をめぐる英国の打診に冷淡で、米財務省は、ドイツの大型借款によってフランスが債務協定を無条件で批准せずに済むようになることを嫌ったとされた。編集長ゲオルク・ベルンハルトの署名論説は、和解が演説から実務の段階に移ったと論じた。論説は、ヒンデンブルクの同意とポアンカレの渋々の同意、反対派の陰の動きに触れ、ブリアン外交が「米国への債務奴隷状態」からの解放をもたらすというフランスの期待を描いた。
パリ(フランス) · フランス語
- フランチェスコ会史の逆説
- 対外信用と仏独協調
- 休暇の総決算
この一面には、聖性をめぐる考察と、金融をめぐる二本の危機感に満ちた論説が並んだ。アカデミー・フランセーズ会員ジョルジュ・ゴワイヨは、パウロの「十字架の愚かさ」に重なる、アッシジのフランチェスコの自発的清貧という「愚かさ」を論じた。そして、初期キリスト教美術が描くのを避けた磔刑と向き合うことを、キリストの傷を愛し聖痕を帯びたフランチェスコが教えたと説いた。「アンテリム」署名の論説は、他紙が唱えた対外信用への依存を批判した。論説はロンドンとワシントン、そして「国際金融」のせいで、敗戦国ドイツが孤立したフランスに条件を突きつけていると非難し、仏独協調はフランス次第ではないと主張した。アンリ・ヴォノヴァンは財政への信頼回復を歓迎しつつも「財政の病は残っている」と警告した。そしてフラン再建のため、新たな犠牲と節約、生産の拡大を求めた。
ウィーン(オーストリア) · ドイツ語
- モルガン商会からの衝撃的な発言
- ドーズ案の改定を求めて――国際金融会議の提案
- ブルク劇場の『ライヒシュタット公』
1926年10月3日付のウィーン紙ノイエ・フライエ・プレッセは、J・P・モルガン商会のトーマス・W・ラモントが9月中旬にニューポートで同紙の記者に語った談話を一面に大きく載せた。ラモントはドーズ案をヨーロッパ金融問題の核心と呼んだ。ドイツの支払いはフランスとベルギーの通貨安定に役立ちうるが、現物給付を続ければ欧米の経済が次第に衰えると論じた。さらに、自らの活力と主に米国の資本によるドイツ経済の回復を称え、ドイツ工業債券への米国の旺盛な需要を挙げて、より良い条件での追加借款を予想し、ドーズ案の改定が必要だと訴えた。見出しは国際金融会議の提案も掲げた。同じ面の文芸欄では、ナポレオンの息子を描いたロスタンの戯曲『ライヒシュタット公』のブルク劇場上演が、何か月も前から政治に巻き込まれかけていると、筆者が嘆いた。この読解は抜粋した部分に限られ、各記事の続きは含まない。
アルジェ(アルジェリア) · フランス語
- シュトレーゼマン氏、仏独協調について大演説
- ブリアン氏、昨日ケ・ドルセーでオースティン・チェンバレン氏と会見
- エリオ氏とポアンカレ内閣
1926年10月3日付のレコー・ダルジェ紙は、一面の主要記事で仏独間の新しい外交を伝えた。ドイツのシュトレーゼマン外相は、仏独協調こそ欧州平和化の「中心点」だと述べた。自分は永遠の楽観主義者、人を信じやすい夢想家と呼ばれるだろうと予期しつつ、ドイツの再起は平和の上にしか築けないと訴えた。パリからは、ブリアン仏外相とチェンバレン英外相の会見に関する外務省の公式声明を載せた。声明によれば、両外相はロカルノとトワリーで枠組みが示された仏独関係を検討し、平和に奉仕する両者の協調がかつてないほど緊密かつ友好的だと確認した。紙面には、ポアンカレの「財政防衛政府」への入閣を擁護するエリオ氏のインタビューも並んだ。エリオ氏は祖国を第一とするジャコバンの伝統を理由に挙げ、首相時代で最も心地よかったのはジュネーヴでの演説だったと振り返った。
Czechia · ドイツ語
- 国際連盟エピローグ
- 信頼と和解のために
- イタリアにおける死刑
1926年10月3日付のプラーガー・ターグブラットは、閉幕したばかりのジュネーブの国際連盟総会を振り返る論説を載せた。論説は英外相チェンバレンを、ブリアンやポーランド代表を信じすぎる誠実だが非凡ではない人物と評した。また同紙は、チェコスロバキアは一人当たりの軍事費が欧州有数の多さだとしながらも、ベネシュが軍縮委員会の議長を務めたことを指摘し、連盟の新たな方向がフランスの庇護への依存から小国を解放すると論じた。ドイツの演説を伝える記事は、ドーズ案と二月覚書からロカルノ、ジュネーブ、トワリーへと続く協調政策を、ラインラント主権回復を目標とする一連の歩みとして描いた。ローマ発の電報は、王族と政府首班への襲撃に死刑を科す法案をイタリア閣議が承認したと報じた。
ベオグラード(現セルビア) · sr-Cyrl
ポリティカ紙は、ベオグラードを訪れたチェコスロバキアの議員団を迎え、彼らの議会を紹介する解説記事を載せた。抜粋部分は、議長と握手した後にこれ見よがしに手を拭いたドイツ系女性議員の逸話から始まっていた。続いて記事は、長く憲法に異を唱えながら最近は態度を和らげつつあるスロバキア人に触れた。筆者は、民族統一と新たな民主的基盤づくりという似た課題を負った自国民こそ、この客人を最もよく理解できると論じた。さらに1920年2月29日制定の憲法の骨格として、定数300と150の二院制、被選挙年齢30歳・45歳、兼職禁止、女性参政権と8人の女性議員を紹介した。
チュニス(チュニジア) · フランス語
- 商業所有権法について
- チェンバレン、ブリアン両氏、ケ・ドルセーで対外情勢、とりわけ仏独関係を検討
- 鉄鋼カルテルと米国の世論
チュニスの「プティ・マタン」は1926年10月3日付で、まず地元の法律問題を論じた。チュニス民事裁判所が、商業用賃貸借に関するフランスの1926年6月30日法は保護領に適用されないと判断した2日後のことで、社説は保護領当局が同等の規則をベイの裁可に付すと見込み、管轄をフランスの裁判所に限り、控訴は多忙なアルジェ控訴院ではなくチュニスで扱うよう主張した。国際電報欄は、ロカルノ協定とトワリー会談を経て、チェンバレン英外相がパリに立ち寄りブリアン仏外相と会談した模様を伝えた。ブリアンは英伊が対抗勢力を作るという見方を否定し、占領地域で起きた事件の解決を求めた。さらに、新たな欧州鉄鋼カルテルに対する米国の控えめな反応を、ホワイトハウス、フーヴァー商務長官、ゲーリー判事の発言を交えて報じた。
サンティアゴ(チリ) · スペイン語
1926年10月3日付のサンティアゴ紙「ラ・ナシオン」は、フェリックス・ザ・キャットで知られるパット・サリバンの署名入り配信漫画を載せた。判読できる「ラウラ」の説明文の一つは、当時の大きなスポーツ話題だったジーン・タニーとジャック・デンプシーのヘビー級戦を扱っていた。その説明文は、タニーがデンプシーをロープ際まで追い込む場面を描き、続けてタニーの勝利が宣告されるのかと問いかけた。「フェリックス」の漫画では、登場人物が眠っている相手に起きて毎日トレーニングするよう命じた。紙面のほかの部分は確実には読み取れない。
ブエノスアイレス(アルゼンチン) · スペイン語
- 重要証人、舞台に登場
- 踏みつけられた草
- モスカ(命中)!…
1926年10月3日付のクリティカ紙は、前月にビセンテ・ロペスの自宅で殺害された町議会議員カルロス・レイの事件を引き続き報じた。同紙は、逃げる2人の泥棒を目撃し、5時から5時10分の間に銃声を聞いたという画家ニコラス・ラ・ロサを登場させた。その証言は女中アンヘラ・ビリャルバや他の証人の供述と一致しており、捜査が裏社会へ向かうのは正しいと同紙は論じた。一部判読できない短い記事は、犯人たちが飛び越えるのを女中が見たという場所で刑事が踏まれた草を見つけたと伝えた。そして、この発見で泥棒の犯行だという確信が強まったと位置づけた。さらに社説は、自ら主宰する新聞からクリティカを攻撃した元サンタフェ州知事エンリケ・S・モスカを激しく嘲った。モスカは、マリア・ポエイの弁護はある同業紙の編集部で育まれ、その新聞は事件を「病的な、恥知らずな、あるいは金目当ての」満悦とともに取り上げていると書いていた。クリティカは容赦ない人身攻撃で応じ、その名を射撃の「命中」にかけたしゃれで締めくくった。この読解は選ばれた3本の抜粋に限られ、紙面の他の部分は含まない。
Italy · イタリア語
- 新しい歴史の道の上で
- 県議会の改革
- 人民党大会でのシュトレーゼマン演説
1926年10月3日付のイル・ピッコロ紙は、ロカルノ条約後の外交におけるイタリアの立場を論じる社説で紙面を始めた。社説は、論じた「最新の出来事」がチュワリーでの仏独会談への回答だという見方を否定し、地中海問題と結びつけた。そのうえで植民地委任統治などをめぐるイタリアの条約上の権利を強調し、ロンドンとローマの見解が一致したことを歓迎した。ニュース面は、1926年の市町村法にならって県行政を改める内務大臣の法案を報じた。各県を政府任命の委員会に運営させ、法的に承認された組合団体の代表が主要な部分を占める諮問会議を置く内容だった。ベルリン発の記事は、帝政時代の黒白赤の旗で飾られたケルンの会場で、シュトレーゼマンがドイツ人民党大会を開会した様子を伝えた。演説で彼は「愚かな国家主義者」を皮肉り、ロカルノ、ジュネーヴからチュワリーへと続いた路線を擁護した。