Il Piccolo
- 「経済インターナショナル」のための宣言
- 寒さはイギリス炭鉱労働者の味方
- 紙幣流通高、102億2700万に減少
1926年10月20日付のイル・ピッコロは、ローマとロンドンから届いた経済と労働の記事を載せた。ローマ発の記事は、国際金融界が出した「経済的平和」の宣言をローマの各紙が敵意をもって受け止め、一部の新聞が諸国民を隷属させるトラストの策動と呼んだと伝えた。同じ記事は、トリブーナ紙が宣言を少数のイギリスの経済学者と実業家の作だと論じ、署名はジョージ・ペイス卿の旅行中に集められたと述べたことも紹介した。ロンドン発の記事は、帝国会議の開幕後も炭鉱ストライキが続いていると報じ、冬の寒さがクリスマスまでに炭鉱労働者を勝たせるという説を紹介したうえで、その説を単純すぎると評した。ローマ発の財政記事は、第1四半期の実質黒字が5500万で、紙幣流通高の削減に充てた割当分などの特別項目を除けば2億4300万に上ったと報じた。
この版は、紙面の一部の読み取りから得た判読可能な三つの抜粋だけを扱う。図書館のラベルが題字の一部を隠しており、画像の区切りで段の端が切れたり丸まったりしているほか、一部の段は下端の行がかすれている。三つの記事はいずれも文の途中で切れており、財政記事の小見出しも途中で切れている。OCRの文字の誤りが多いため、翻刻は画像で読める文字だけに従った。「Ronsey」や「Pais」などの綴りは紙面の表記のまま残した。
翻訳
「経済インターナショナル」のための宣言
ローマの各紙が指摘するイタリアへの危険
ローマ、19日発 いわゆる経済的平和を掲げる国際金融界の宣言について、ローマの新聞は好意的とは言いがたい論調で盛んに論評している。テヴェレ紙やラヴォーロ・ディタリア紙などの論評は、単なる批判的考察にとどまらず、「A・B・C」トラストがヨーロッパで試みている諸国民の経済的隷属化という巨大な策動に対して、断固として戦う姿勢をとっている。
トリブーナ紙は、この文書をただちに本来の大きさにまで割り引いて見る必要があると注意を促し、文書はロンジーの会合とは関係がなく、別の異なる出どころを持つと述べている。同紙は続けてこう書く。「この文書を練り上げたのはせいぜい十人ほどのイギリスの経済学者と実業家であり、賛同の署名は、経済評論家でエコノミスト誌の編集者であるジョージ・ペイス卿がヨーロッパ諸国を旅行した際に集められた。とはいえ、この文書はきわめて広範な動きの中に位置づけられる……
寒さはイギリス炭鉱労働者の味方
新シリーズ 第2141号
寒さはイギリス炭鉱労働者の味方
クック拘束の企て
ロンドン、19日発 帝国会議の開幕で、世論は一瞬だけ炭鉱ストライキの成り行きから目をそらした。しかしストライキは続いており、明るい見通しを引き出せる兆しはまったくない。寒さは厳しくなったが、この急な気温の低下が争議の行方に大きな影響を及ぼすことはなさそうだ。一部の人々の説によれば、ストライキはクリスマスまで長引くこともありえ、炭鉱労働者の勝利で終わるかもしれない。彼らの理屈はこうだ。冬の寒さのために、消費者はたとえ並外れて高い値段を払わされても石炭を手に入れざるをえなくなる。人々が石炭の購入に普段にない額を払うことに慣れてしまえば、炭鉱主は賃金と労働時間に関する炭鉱労働者の要求をすべて受け入れて炭鉱を再開でき、しかも現在消費者が輸入炭に払っている値段で石炭を売り続けられる。だがこれはあまりに単純な理屈であり、考慮に入れていな――
紙幣流通高、102億2700万に減少
流通高、10……に減少
第1四半……に実質5500万の黒字
ローマ、19日発 今会計年度第1四半期の財政状況は、5500万の実質黒字で締めくくられた。この数字は、8月31日時点の黒字より改善している。さらに考慮すべきなのは、今年度の会計に9月末までの分として、国家のための銀行券流通高を減らす目的でこのほど承認された5億のうちの割当分1億2500万と、過去には別の区分で計上されていた鉄道建設費6300万という特別項目が含まれていることだ。これらの支出を除けば、今年度第1四半期の黒字は2億4300万に上り、これに対し……の黒字は1億6800万……
解説
関税障壁撤廃宣言の起草者と署名者
ローマの新聞が攻撃した文書は、1926年10月にロンドンで公表された実業界の宣言である。タイム誌は、世界の有力金融家100人以上がこの回状に署名し、ヨーロッパ諸国に対して国際貿易を妨げる関税障壁の撤廃を求めたと報じた。タイム誌によれば、署名者にはイタリア人も含まれていた。同誌はニコラ・パヴォンチェッリをイタリア銀行のチェアマンとして挙げ、さらにファシスト産業総連盟会長のアントニオ・S・ベンニとフィアット社長のG・アニェッリの名を記した。宣言の起草者は当時はっきりしていなかった。タイム誌は、文書を配った側が起草者の名を明かさなかったと伝えた。イル・ピッコロが引用したトリブーナ紙は、起草者を十人ほどのイギリスの経済学者と実業家とし、署名はジョージ・ペイス卿の旅行中に集められたと述べ、ロンジーの会合との関係を否定した。ドイツ・ライヒスバンク総裁のヤルマール・シャハトは、タイム誌の伝えるところでは、宣言がイギリスで最近開かれた独英産業人会議と密接に結びついていると語った。このため読者は、宣言をイギリスの少数者の産物とするトリブーナ紙の見方を、同紙の主張として読む必要がある。
イタリアの新聞が自由貿易を脅威と見た理由
1926年11月13日付のエコノミスト誌に載ったトリノ発の通信は、イル・ピッコロが伝えた冷たい反応を裏づけている。通信によれば、好意的な論評を載せたのはトリノのスタンパ紙だけで、そのほかの新聞はそろって宣言を強く批判した。批判する側は、宣言を豊かな国々が工業の新しい貧しい国々の犠牲の上に世界貿易を握ろうとする企てだと描き、イタリアをその貧しい国の例に挙げた。批判者はまた、増え続けるイタリアの人口の出口が外国の移民制限でふさがれている点を持ち出した。通信の筆者はこの論法に懐疑的だった。筆者は、アニェッリ、グアリーノ、コンティ、ピレッリといったイタリア最大級の産業人が宣言に署名していると指摘した。筆者はさらに、ファシスト党の代議士ランツィッロがラヴォーロ・ディタリア紙の記事で、ヨーロッパ関税同盟の構想が今後ますます真剣に論じられるはずだと認めたことも伝えた。ラヴォーロ・ディタリア紙は、イル・ピッコロの記事が宣言に断固として戦いを挑む新聞として名を挙げた一紙である。ローマの新聞の反対運動は、イタリアの有力産業人が宣言に署名した事実と並んで進んでいたことになる。
1926年秋のイギリス炭鉱争議の状況
ロンドン発の記事が扱う炭鉱ストライキは、1926年5月のゼネストが終わった後も続いた炭鉱労働者の争議である。炭鉱労働者を率いたのは、1924年からイギリス炭鉱労働者連盟の書記長を務めたA・J・クックである。クックは「賃金は1ペニーも下げず、労働時間は1分も延ばさない」という標語で知られていた。労働組合会議は9日でゼネストを打ち切ったが、クックはその後も数か月にわたって炭鉱労働者の抵抗を率いた。争点は記事が触れる賃金と労働時間そのものであり、炭鉱主は7月5日に8時間労働を前提とする新しい雇用条件を掲示した。記事が輸入炭の価格に触れた背景には、政府が5月下旬に外国炭の輸入を手配していると報じられた経緯がある。記事が紹介した、冬の寒さが炭鉱労働者に勝利をもたらすという説は実現しなかった。炭鉱労働者は1926年11月27日から30日にかけて、より低い賃金とより長い労働時間で仕事に戻った。ウォリック大学の資料年表は、この結末を完全な敗北と記している。
財政黒字とムッソリーニのリラ政策
この財政記事は、ムッソリーニのデフレ政策が始まって間もない時期のものである。ムッソリーニは1926年8月18日にペーザロで演説し、のちにクォータ90と呼ばれるリラの切り上げを表明して、為替相場を1ポンドあたり92.46リラに固定する方針を示した。紙幣流通高の削減はこの政策の中心にあり、記事も国のための銀行券流通高を減らすために承認された5億のうち1億2500万の割当分を特別項目として取り上げている。財務相のヴォルピ伯は、国庫証券を流通高に対する絶え間ない脅威と呼んだ。政府は1926年11月初めに通常国庫証券と5年物と7年物の国庫証券を強制的に長期公債へ借り換えさせ、ヴォルピはこの措置をペーザロ演説の論理的な帰結であり、リラの防衛と切り上げに向けた新たな一歩だと説明した。イル・ピッコロの黒字額は政府の会計を新聞が伝えた数字であり、ここで使った資料はその数字を検証していない。切り上げの負担はその後に表れ、1927年には工業と農業で賃金の引き下げが行われた。
原文
Il manifesto per l'Internazionale economica
I pericoli per l'Italia rilevati dai giornali romani ROMA, 19 Il manifesto della finanza internazionale per la così detta pace economica è ampiamente commentato dalla stampa romana in senso poco benevolo. Alcuni commenti, come ad esempio quelli del Tevere e del Lavoro d'Italia non si limitano a pure considerazioni di indole critica, ma assumono atteggiamenti di decisa battaglia contro la colossale manovra di asservimento economico delle nazioni che il trust «A. B. C.» tenta in Europa. La Tribuna, avvertendo che occorre ridurre subito alle sue esatte proporzioni il documento, dice che esso non ha riferimento con il convegno di Ronsey, ma ha altre e diverse origini. «Stillato - prosegue il giornale - da non più che una decina di economisti e uomini d'affari inglesi, le adesioni ad esso furono procurate durante il viaggio compiuto in diversi Stati europei da sir George Pais, scrittore di cose economiche e redattore dell'Economist. Esso si inquadra tuttavia nelle manifestazioni assai vaste
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