Evening Star
- マイアミ被災圏の死者は現在400人、ペンサコーラも大被害
- ジュネーヴで留保を維持すべきだ
- フォンク機が離陸時に墜落、飛行士2人死亡
紙面は、不確かなハリケーン報告、航空機の死亡事故、米国の世界裁判所参加条件をめぐる対立を並べた。鉄道職員はペンサコーラの破壊を伝える一方、死傷者調査はできていないと認めた。航空記事の抜粋は機内に閉じ込められた乗員2人と生き残った操縦士2人を示し、事前警告も伝聞として扱った。ワシントンでは、上院の留保修正に対するクーリッジの反対を国際参加の条件として伝えていた。
翻訳
マイアミ被災圏の死者は現在400人、ペンサコーラも大被害
地区の鉄道員たちは人命被害を確かめられていないが、「ひどい状況だ」と報告した。
ペンサコーラ市は、風速が時速100マイルを超えるハリケーンに襲われた。
この報告によると「多くの人が負傷した」というが、死傷者の詳しい状況は分からない。職員たちはまだ調査できていない。
ジュネーヴで留保を維持すべきだ
米国の世界裁判所への参加を承認する際、上院が採択した勧告的意見に関する第5留保について、クーリッジ大統領は変更の余地があるとは考えていない。本日、ホワイトハウスでこの方針が明らかにされた。大統領は、第5留保もほかの4項目の留保も、修正案には賛同していない。
ジュネーヴで会議中の世界裁判所加盟国の委員会は、上院が採択した第5留保の修正を提案している。これに対する大統領の姿勢が明らかになったことは、米国がいま世界裁判所に参加するには米国の留保をそのまま受け入れなければならないという通告だと、当地では受け止められている。
フォンク機が離陸時に墜落、飛行士2人死亡
死亡したのはフランス人無線士シャルル・クラヴィエと、ロシア人整備士ジェイコブ・イスラモフだった。2人は巨大な3発複葉機の閉じた客室に取り残された。
飛行を指揮したフランスの撃墜王フォンク大尉と、米国側の交代操縦士、米海軍のローレンス・W・カーティン中尉は、機体が炎上する前に飛び降りて助かった。
この機体を設計・製作したロシア人のイーゴリ・シコルスキーは、惨事の直後には所在が分からなかった。離陸を危険にする横風のため、昨夜、涙ながらに飛行の延期を求めていたという。
解説
フロリダを横断し、再び上陸した嵐
9月18日にマイアミを襲ったハリケーンは、メキシコ湾へ抜けた後、20日にペンサコーラ周辺へ達した。ペンサコーラの報道は、マイアミでの被害の続報というだけでなく、新たな上陸地点の被害を伝えるものだ。南部で救援が始まる一方、離れた地域にも災害が広がっていた。
鉄道員が伝えた被災地の様子
ペンサコーラの第一報を届けているのは、死傷者の調査を終えた機関ではなく鉄道職員だ。職員は沿線の状況を伝えられても、街の全域を見渡せたわけではない。被災地へ入る交通手段の確保と、救援に必要な情報を集める作業が結び付いていたことが、この報告から分かる。
第5留保が守ろうとしたもの
世界裁判所とは常設国際司法裁判所のことだ。上院の第5留保は、勧告的意見を出す手続きの公開に加え、米国が利害関係を持つ、あるいは持つと主張する問題を扱う場合に米国の同意を求めた。争点は国家間の訴訟だけではなく、法的な助言の扱いにも及ぶ。米国が訴訟当事者でなくても、その利益に関わる判断を制御したいという要求だった。
国内の承認条件と国際機関の運営
上院は、留保を受け入れることを米国参加の条件にしていた。一方、ジュネーヴの加盟国は、多数の国が利用する裁判所に、一国の要求がどのような影響を及ぼすかを考える必要があった。9月の議論でも、対等に運営へ参加する権利と、制度の変更を拒否する権限は区別されている。クーリッジの妥協を認めない姿勢は、米国内の承認条件と、なお必要な国際的合意との隔たりを際立たせた。
なぜパリまで無着陸で飛ぶのか
S-35は、ニューヨーク・パリ間の無着陸飛行に懸けられたオルティーグ賞を目指して造られた。成功すれば搭乗員の名声だけでなく、シコルスキーの航空機事業にも注目が集まる。本紙に登場するフランス人の指揮官、米国人の交代操縦士、ロシア人の設計者という顔ぶれには、ニューヨークを離れる前に終わった挑戦の国際的な規模が表れている。
海を渡る前に立ちはだかった離陸
大西洋横断用の重い搭載量を支えるため、S-35には離陸後に切り離す補助脚が付けられていた。長距離記録を目指すには、まずその重さを抱えた機体を安全に浮かせなければならない。客室の2人が取り残されたという本紙の報道は、海上飛行に入る前の地上の危険を具体的に伝えている。
原文
DEATH TOLL NOW 400 IN MIAMI STORM ZONE; PENSACOLA HARD HIT
The railroad men in the district were not. certain as to loss of i
life. !>ut they reported “terrible conditions.”
I he city of Pensacola was ravaged by a hurricane that reached I
a velocity ut more than 1 (X) miles an hour.
I lii> report said “many were injured,” but the nature of the j
casualties was not known. The employes had not been able to i
make a survev.
RESERVATION MUST STAND AT GENEVA
President Coolidge does not see how
the lifih reservation, dealing with ad
visory opinions, adopted by the Sen
ate when agreeing to A meric At ad
herence to the World Court, can be
modified or changed, it was made
clear at the White House today.
Neither does tlie* President sympathize
with any proposal to modify the fifth
reservation or any of the other four
reservations.
The revelation of the attitude of
the President toward suggested
plans from a committee of World
Court member nations meeting in
Geneva for the modification of the
fifth reservation adopted by the Sen
ate was interpreted here as notice
that the American reservations must
he accepted as they are if the United
States is now to become a member
of the World Court.
TWO FLYERS KILLED IN CRASH OF FONCK PLANE TAKING OFF
They were Charles Clavier. French
radio operator, and Jacob Islamoff.
Russian mechanic. They were trapped
in the closed cabin of the huge three
motored biplane.
Capt. Fonck. the French ace in com
mand of the flight, and Lieut. Law
rence TV. Curtin, lb S. N., American
alternate pilot, leaped to safety be
fore the plane burst into flames.
Igor Sikorsky, Russian designer
and builder of the plane, could not bo
located immediately after the tragedy.
He was reported to have begged in
tears last night that the flight be
postponed because of a cross winii
that endangered the take-off.
紙面の出典:所蔵機関のデジタル資料